マーケティング

当たり前だけど見落としがちな市場規模の話

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そんなに大切?市場規模について

市場規模と、それをいつリサーチするのか?

市場規模とはその商材(商品やサービスなど)に対して年間にどれくらいのお金動いているかを示した数値ですがマーケティングを支援する現場では、必ず絡んできます。

数値に関しては推計値で出されていることが多く実数値とは多少上下がある場合が多いです。
ただ市場規模は1円単位であっている必要はなく大枠の規模感がわかることが非常に大切になります。

私もマーケティングの依頼を受けた最初に事業の市場規模(マーケットサイズ)がどれくらいの規模感なのかということを確認することがほとんどです。

なぜなら各事業には目標値があってその目標値を達成するために仕入れや製造を行い、人員を割いて販促費をかけて、、、、などなど投資を行うわけですが本当に回収できるの?ってことがまず大切になってくるわけです。

すごく当たり前な話に聞こえますが、こと中小企業のウェブマーケティングの支援に入る時、「この商材の市場規模ってどれくらいですか?」なんて聞くと特段調べていないなどの場合も多くあります。

これはその企業が悪いわけではなく、中小事業の社長や事業責任者の方は管理側だけに集中して業務をされているわけではなくプレイングマネージャとして今日の粗利を稼ぐため奮闘されているところがほとんどです。
そういった部分で事業の大枠を再定義する上でも支援のスタートの段階で市場規模を共有することにしています。

市場規模とはその商材で儲けられる限界値である

ただ、市場規模の言葉の意味は分かったけど、なかなかイメージしずらい方もいると思います。
そんな時は例えば市場規模をより理解してもらうために、以下の質問について考えてみてください。

「あなたは1日に食事を何回しますか?」

たぶん多くの方は「3回」と答えると思います。これを年間で考えると1,095回(1日3回×365日)の食事をすることになります。

これが一般的な人の食事回数の上限となるわけです。

ここに「1回の食事に平均してどれくらいのお金を人は使うか」という金額をかけたものが、例えば食を扱う業界の市場規模になるわけです。

つまり商材には上限値が付き物で無尽蔵に売れ続けるということはないのです。

なぜなら市場に存在する人口は決まっていて、私たちの胃袋の限界も決まっているし、1回の食事にかけられるお金も年収という限界値があるから決まってくるわけです。

この考え方ができると人口が減少していくと不景気になるよねって話が理解できたりします。

人口が増えればそれだけ1日3回食事をしてくれる人が増えるので儲かるよねってことになるので。

ただ、社会の状況で数字の分配が変わったりすることはあります。

例えば今このブログを書いている時期は新型コロナウィルスで社会が大きく影響を受けています。

そんな中、スーパーの食料品の売り上げが8.8%もアップしているようです。

日本スーパーマーケット協会など食品スーパー業界3団体が21日発表した3月の全国食品スーパー売上高(速報値、既存店ベース)は、前年同月比7.4%増と、前年実績を2カ月連続で上回った。
新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が増え、家で食事をする需要が高まった。
冷凍食品やカップ麺などの売れ行きが好調だった。全店の売上高は8.8%増の9638億円だった。

日経新聞記事 参照

20年3月でこれなので、4月はさらに売り上げを伸ばしていると推測できます。

ではコロナの影響で1日に3食以上食べる人が増えたのか?というとそうではないでしょう。

スーパーで使うお金を増やし外食に使うお金を減らしたことは容易に想像がつくでしょう。

他にはネットショップで使うお金を増やしている傾向もあります。具体的には支援先の食品商材のネット通販の売り上げは昨年の同月と比べて30%〜100%の比率で推移しています。

つまりその分のしわ寄せが外食分野に出ている。というわけです。

このような現象は他の商材にも言えることで人が年間にその商材に使うお金の額は決まっており特に成熟期に入った商材はこの話がよく当てはまります。

ただし例外はあり、これから伸びていく新しい商材(創造)はこれから知られていくという特性上、限界値にまだ達していない場合があります。

その場合はこれから商材の認知が、これから徐々に浸透していくため市場規模は年々拡大していくようになります。

商売は市場規模の中でのシェアの奪い合い

先の項を見ていただくと分かるように、商売で稼げる額には限界値があるわけです。

市場規模に限界がなく売れ続けるのであれば、シェアを奪い合うという概念は必要ないのですが、そうでない限りいかに自社の商材が優れているか、もしくは安いかをアピールして買ってもらう必要が出てきます。

ということは売り上げをつくるとなると市場が伸びない以上、他社のお客さんを奪う必要が出てきます。

そんな時にどうすればいいか?となった時に必要なノウハウがマーケティグと言われるものです。

シェア率の目安

では実際市場の中でシェア率をどこまで目指せばいいか?という目安が必要になってくると思います。

その時によく引用されるものが「クープマンモデル」と呼ばれるものです。

クープマンモデルとは

クープマンモデルとは市場シェア理論のことで、戦時中に提言されたランチェスターの法則という戦争における戦闘員の減少度合いを数理モデルにもとづいて記述した法則をもとに、アメリカの数学者B.O.クープマンに体系化された市場シェア理論のことです。

この理論を用いて、自社の商売を安定させるにはどれくらいのシェアを獲得するべきか?を示したものになります。

クープマンの目標値

名称 シェア率 意味
独占的市場シェア 73.9% 独占的市場シェア目標をとれば短期的に見ればトップが引っ繰り返る可能性はほとんどあり得ないという市場シェア
相対的安定シェア 41.7% 複数の企業で競争している市場でトップシェアを握る企業のシェア

トップの地位は安定しており、不測の事態に見舞われない限り、逆転されることはないシェア目標

市場影響シェア 26.1% 市場に影響を与える水準値として、目標とされるシェア

トップ企業が持つシェアとしては下位企業からいつ逆転されるかどうかわからない不安定な状態

並列的上位シェア 19.3% 複数の企業が競争し拮抗している状態で、どの企業も安定的な地位を得られていない状態
市場的認知シェア 10.9% 市場において存在が確認されるシェア目標

このシェアに到達しない、企業やブランドは、市場の消費者(BtoCの場合)や企業担当者(BtoBの場合)は認知すらされない状態

市場的存在シェア 6.8% 市場において存在が許されるシェア
市場橋頭堡シェア 2.8% 競合他社競争相手だと認められることはないが、市場に参入するための足がかりを気づいた状態

市場参入の足がかり的なシェア率

まとめ

上記のように自社のシェア率で市場での位置付けが全く変わってきてしまうため自社がいまどの位置にいるかを把握しないと、どんな戦略をとるべきかを誤って意思決定してしまう可能性があります。

その上でもまず市場規模の把握が非常に大切にになってくるわけです

市場規模については経済産業省のホームページや各リサーチ会社のプレスリリースで一部無料で見ることができます。

戦略を考える上で是非調べてみることをおすすめします。

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